ドアのノックで目覚める。朝の3時20分。ブロモ山の夜明けを見るためのツアーに参加しようとする自分に気付く。
昨晩の時点では、山なんかに登りたくないとか、ツアーなんかに申し込んでしまったのが間違いだったとか考えていたのだが、現金なもので、目覚めてしまえば気分は一新。それを楽しもうと、持ってきた衣類をできるだけ着込んでジープに乗った。
山頂は4℃まで気温が下がると聞いていたが、私の勘では、そこまでは下がらないと思っていた。
ジープは真っ暗な道をガンガンと走る。山道なのに抜かしているインドネシア人らしいドライバー。
ここがどこなのか、さっぱりわからない。
やがて、ビューポイントに近いところでジープは止まった。あとは、歩いて山頂に登ることになる。それにしても、もの凄い数の人々が山頂目指して歩いている。明治神宮の初詣に行っているかのごとく。
山頂に着いた。山頂には着いたが、すでに視界に入るところは全て人々で埋め尽くされている。
私は、「観光地なんてこんなものだ。」と溜息をついた。