ローカルバスでハルドワールに向かった。大きな長距離バスで、こんなバスは初めてだった。
ハルドワールまでは13時間。
このローカルバスは長距離なのにリクライニングが出来ない。
まあ、それはいいとしても、人が次から次と入ってきて鮨詰め状態である。それも良しとしよう、そのうち空いてくるのだから・・・
ところが、少し大きな町のバスターミナルには必ず停車する。そうすると、人が雪崩れるように降り、雪崩れるように乗ってくる。結局、鮨詰め状態が持続してしまう。
“そのうち空いてくる、そのうちに、”と何度も念じるように呟いているのだが、見事なまでに空く気配がない。これが、最後まで続いたのである。
私は、荷物を下に置き、縮こまりながら座っていた。人に当たらないように気を使いながら座っていた。そんな過酷な状態でも、疲れていれば眠れるもんなのである。
3大巡礼者の聖地のひとつハルドワールには、まだ日が昇っていない午前4時に到着した。