『おぬし、なかなかやるのう~、おぬしが最後であろうな、いざ、尋常に勝負せい。』
すでに、6匹を征伐している。
いざ、眠ろうと電気を消し、ブランケットをかけると、ブーンと音がする。
明かりを点け、辺りを見渡すと、そこには一匹の蚊が、私を狙っている。
これで、最後だろうといい続けてから、3匹目である。
このゲストハウスは、部屋は綺麗だしベッドもダブル、トイレ、シャワー室は外側にあるものの、隣なので裸でもへっちゃら。
大きな窓からは、気持ちのいい風が吹いてくるし、日当たり良好。
窓から椰子の木林が見えて、100ルピーにしちゃ、お値打ちな宿なのだが・・・・。
網戸がないのだ。
したがって、夜は窓を閉めて寝ることになる。
なかなか眠れない。
眠らせてくれない。
彼らが全部、一気に出てくれば簡単なのだが、敵もさるもの、1匹ずつ出てくる。
蚊取線香を使えばいいのだが、部屋はそれほど広くなく、すぐにゲホゲホとなるので使いたくない。
蚊避けクリームも持っているのだが、まさか顔には塗りたくない。
ファンを回したまんま寝ると風邪を引いてしまう。
そういえば、リュック・ベッソンのデビュー作で「最後の戦い」という近未来映画があった。
いっさい、台詞がなくモノクロ画像と環境音だけで勝負していたのだが、それが緊張感を増し、素晴らしい傑作に仕上がっていた。
ああ~、あの映画をまた見たいなぁ~と、思い出していた。
よし、征伐したわい。
もう、さすがにいないだろう。
これで、ゆっくり眠れるだろう。
電気を消して、しばらくすると・・・。
ブーン・・・・。