今私は、エルナクラム(コチ)行きの汽車を、ゴカルナロード駅で待っているところ。
午後2時48分発のはずなのだが、すでにそれから2時間が過ぎ、午後5時を回ってしまった。
バックパッカーの同士達は、慣れているのか気にすることもなく、ヨガをやったり、フロアに横になり、寝ていたりする。
汽車は、午後7時を回った頃、やっと、ゴカルナロード駅に姿を見せた。
汽車の姿を見たとたん、乗客達から歓声と拍手が沸き起こった。
私も、インドの汽車の遅延には慣れているものの、流石に待ちくたびれた。
ゴカルナロード駅はローカルな小さい駅である。
この汽車も、1週間1便しかこの駅には止まらない。
その後列車は、反対車両が通り過ぎるまで停車し、20分後にようやく出発した。
時刻表によると、エルナクラムへは14時間後の到着となっているのだが、10時、いやいや、昼頃になってしまうのではないかと思った。
今までの経験からも、さらに遅れることは必至である。
まあ、それもよしと、私は深い眠りについた。
目覚めると、朝日が地平線から顔を出していた。
ほとんどの人が荷物を整理し立ち上がり、出口付近にたむろっている。
これは、大きな駅に着いたのだろうと思い、目をこすりながら伸びをした。
汽車は減速し、その大きな駅に滑り込もうとしていた。
駅の看板を見て、驚いた。
エルナクラム・ジャンクションと書いてある。
もう一回、身を乗り出して確かめた。
間違いなく終点である。
私は、急いで荷物を整理し、その車両から最後にホームに降りた。
時刻表からでも、なんと2時間以上も短縮されているではないか。
私は、狐につままれた思いで、駅のホームに佇んでいた。