インコグニートとタワー・オブ・パワーのライブに行ってきた。
とはいうものの、実はすでにソールドアウトだったため、入り口近くの踊場でビールを片手に聞いていたのだ。
野外ライブだったので、音はビルの狭間から漏れて聞こえてくる。
雲が幾層にも重なり、今にも泣きそうな天気だ。
夜の9時を回っているのに、ストットガルトの夜は訪れない。
ダウンを着てきて良かったほど夏とは思えない寒さである。
寒さのためか、ライブが始まる前にいた野外客は、ほとんど居なくなってしまった。
会場から割れんばかりの拍手喝采と指笛が聞こえてくる。
すでに、興奮の坩堝と化しているようだ。
こちらは、ビルの反射音で2重に聞こえるが、それでも久しぶりのライブで踊る気持ちを抑えられない。
ここドイツでは、日本では考えられないくらいの安さでビッグアーティストの演奏が楽しめる。
ヨーロッパ人の音楽を愛する心が、そうさせているのだろう。
好きな時間に好きなだけ楽しむドイツ人。
羨ましいと思う。
ドイツのビールは濃厚な味がたまらない。
ビールと音楽があれば、私の心は宙に舞う。