狭いメディナの中の細い道をバイクが飛ばしてくる。
それも、次から次と。
ぶつかっているところも、喧嘩をしているところもみかける。
私も何度も危ない目にあっている。
安いスープ屋がふっかけた値段を言ってくる。
そんな値段のわけはないだろうと言うと、とたんに半額になり「飲んでけ。」と平気な顔して言う。
新市街では人間よりも車のほうが偉い。
他のモロッコの都市のようにやさしい目はしていない。
もう、こんなところは用はない。
私は、マラケシュに暫く滞在しようと思ってやってきた。
それなのに・・・・。
海が見たくなった。
アガディールに行こうと、バスに乗った。
ところが、着いたバスターミナルはアガディールではないらしい。
聞けば、アガディールまでは15kmも離れている。
ここには、タクシーがひしめいている。
面倒なのと、ここのほうがローカルで面白そうなので宿をとった。
この町の名前はINEZGANE。
何度聞いても、発音ができない。
ここは、マラケシュとは違う、やさしい目をした人々が溢れている。