コーン島は、ニカラグアのブルーフィルズから70km東のカリブ海に浮かぶ小さな島。
ここには2つの島があり、大きい方がグレートコーン、小さな方がリトルコーンと呼ばれている。
グレートコーンの正式名称は、イスラ·デ·マイスと言う。
私は知り合った日本人と共に、ブルーフィールズから30分くらい離れたところにあるエル·ブルッフにランチャで渡った。
私たちが買ったチケットの船は、そこから午後の2時過ぎに出港すると聞いていた。
ひたすら待った。
勿論、本当に2時ころに来るとは思わなかったが、午後5時になっても来なかった。
風が強く、上空の雲の動きが早い。
やがて、空は厚い黒い雲に覆われ雨が降り出した。
それは横殴りで、まるで台風のようだった。
気が付くと、そこはたくさんの人々でひしめいていた。
私はなるようになるだろうと、もう雨をも気にならなくなっていた。
瞼が重くなり、いつのまにか眠ってしまった。
ふいに叩き起された。
船が来たようだった。
もう、あたりはすでに夜の闇に覆われていた。
私は眠さでフラフラと足元がおぼつかないまま、重たいバックパックを背負った。
私は寝床のハンモックを確保することができた。
船が出たのは深夜の1時を回っていた。
海はしけていた。
船は上下に左右に大きく揺れながら走行している。
ハンモックは失敗だった。
船が揺れる度に、それ以上の大きさで揺れる。
しかも、横の板にぶつかって眠れるどころではない。
私はこれまで乗り物で酔ったことなどなかった。
しかし、初めて気持ち悪くなった。
ション便をしにトイレに行こうと思ったが、船が揺れて歩くのもしんどい。
甲板に上がって、海に向かってション便をした。
それは綺麗な放物線を描いて海に落ちていった・・・。