レゲエが聞こえてくる。
いや、歩いているとレゲエだけではない。
カントリーからヒップホップまで、さまざまなアメリカ音楽が鳴っている。
ここは、島中に音楽で溢れている。
日曜日の朝ともなると、教会からゴスペルが聞こえてくる。
コーンアイランドマススクワイアの大合唱が響きわたっている。
野球のユニフォームを着た男どもが、ピックアップの荷台でバットやグラブを持ち手を降っている。
そう、ここでは日曜日ごとに野球の試合が行われているのだ。
人々はスペイン語も話すが、英語も飛び交っている。
そして、人懐っこく明るい。
ジャマイカの移民の島。
アメリカ文化でいっぱいの島。
子供達は海に飛び込んで遊んでいる。
私もTシャツを脱ぎ、荷物をそばにいたフランス人に預け、その海に飛び込んだ。
飛び込み台に上がろうとする子供を片っ端から海に引き摺り下ろし、はしゃいだ。
静かでどこまでも透き通った海。
カリブのコバルトグリーンに彩られ、温水プールのように温かく、やさしさに満ち溢れた海。
もう、私は子供だ。
なにも着ていない裸の私だ。
ああ、なんて素敵なんだ。
もう、ここに来るまでの苦労などみじんも感じていない。
ここは、グレートコーン。
ニカラグアのもうひとつの顔とも言える場所に私は居る。