この街の警官は、銃を、すぐに打てるようにしっかりと両手で持っている。
浮浪者が、私の持っていたコカ・コーラを奪い取った。
"少しだ、少しでいいんだ。"
そう言う浮浪者に向かって私は思わず中指を立てた。
汚い手で奪われたコーラなど、もう欲しくなかった。
市バスの中で、親切に街の中心地を教えてくれた女の子の笑顔だけが私の記憶に残っている。
この街には危険が渦巻いている。
また、売春宿に泊まってしまった。
中心地の安宿の多くはそうなのだろう。
この街には、もう用はない。
テグシガルパ·····。
ホンジュラスの首都は、私の目には何も映らない。