旅には、自分の居場所や存在がわからなくなる時がある。
そのいくつかの瞬間のひとつがチュニジアのチュニスに入った時だった。
海を渡って来た。
文化が違う。
言葉が違う。
勿論、貨幣も違う。
交通手段も街の景観も治安も
何もかもが違う。
その中に自分を置いてみると、滑稽でおかしな生き物に感じてくる。
戸惑う事が楽しい。
自分の存在なんて、爪の垢のようなもんだ。
それでも、なんとかなるもんだ。
タクシーは細長い、海に囲まれた道を走る。
人々の暖かさに支えられ、夜中のチュニスを彷徨う事なく宿に着く。
ムスリム国の人に対する尊厳は今までも身に染みて感じていたが、ここのそれは秀でていた。
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