海外に出ると、日本のことを考える時間が増えてくる。
海外に出ても、日本とさほど変わらない生活をしている自分に気が付く。
海外での本屋は、私にとって憩いの場所だ。
ここ、バラナシでも屋台のような小さい本屋さんから、なんでも扱う大型店、専門書籍を扱う専門店、そして古本屋がたくさんある。
とある本屋に入った。ここは、インド文化の書籍ならなんでも揃っている専門店。
興味を引く本が目白押しなのだが、英語やインド語がわからないので、私には猫に小判である。
店主が椅子を持ってきて、座れと即す。
私がお言葉に甘えて座ると、今度はお茶を持ってきてくれる。
お茶をすすりながら、ゆっくりと本と戯れることができる至福な時間だ。
古本も扱っているので、2冊ほど購入した。
店主とは、インド文化について少し話もした。
日本に、このような本屋さんがあるのだろうか。別に神保町のような特別なところに行っているわけではない。カフェが片手間に本を扱っているようなところでもない。
コルカタの大型店でも、ゆっくりと座れて寛ぎながら本を吟味できるようになっていた。
インドだけではない、他の国に行っても感じている。
本は、見て読むものではないだろうか。背びれや表紙のデザインだけで本を判断できるものではない。
日本の本屋さんは、ディスカウントショップのそれである。坪効率だけを考え、本を綺麗に陳列し回転率を高める。商売の鉄則なのだろうから仕方がないにしても、扱っているのが“本”だからね。
まあ、日本の最近の本って、全てが雑誌みたいなもんだから、それでいいのかな。
日本が本に関しては後進国に思えるのは、私だけだろうか。