バスを乗り継ぎ、ティヴィム駅に着いた。
所要時間は1時間、2台のバス代は13ルピー。
ティヴィム駅からは、68ルピーのゴカルナロード駅までのチケットを買う。
ここからは、200kmくらいなので、2等のシートで十分である。
南に向かう汽車が早々に来た。
一昨日知り合った日本人と、その汽車に飛び乗った。
停車時間が短いため、スリーパーに乗ったのだが、空いているので図々しく座ってしまう。
しばらくすると車掌が来たので切符を提示すると、ゴカルナロードには停まらないと言う。
それではと、マルガオ(ゴア州の州都)で降りて、汽車をチェンジするということで丸くおさまった。
まあ、それまではスリーパーでゆったりと座っていけるので得した気分。
マルガオの駅内のレストランで魚ターリー(魚カレー定食)を食べる。
これが、とっても美味しくて30ルピー。
お腹もいっぱいになり、ホームで待つことにした。
ホームを見渡すと、自分達がいるところは空いているのに、人だかりになってるところを発見する。こりゃ、あそこが2等シートの位置だと2人で移動する。
まもなくして、汽車がホームに滑り込んできた。
まだ停まっていないのに飛び乗るやつがいる。
動体視力と運動神経が発達していないとあれはできない。
さあ、これからが戦場と化すのだ。
まだ、降りてない人がいるのに、入り口に殺到しギュウギュウと入り込む。
ここで、遠慮していると永遠に座れなくなるばかりでなく乗れなくなっちゃう。
うまく、人の間をすり入り、中に入ってしまう。
まだ、降りられない子供たちは泣いて出口にへばりついている。
すばやく周りを見渡すと、もう、席は満席である。
それではと、上の荷物置き場に目をやると、隙間がまだある。
もう一人の日本人にも上に上がれと指示し、私も窓枠から上に乗ってしまう。これで、一安心。
すぐに、汽車は動き出した。
欧米人はたくさん乗っているが、日本人は私達だけである。
2時間半くらい乗っただろうか、ゴカルナロード駅に着いた。
さて、バスはどこだと探しても見渡す限りその痕跡もない。
相変わらず、オートリキシャの勧誘はうるさくつきまとってくる。
ここで、そんな大金をはたいてゴカルナシティまで行くつもりはない。
とにかく、インド人が歩いている方向に、私達も歩き出した。
後を振り向くと、他のツーリスト達も歩いている。
20分くらい歩いたところで、ようやくバス停らしきところまで出た。
反対方向のバスは潤沢に来ているのに、ゴカルナシティに向かうバスはいっこうに来ない。
諦めたツーリストが、オートリキシャと交渉し乗り込んでいく。
私は残ったイタリア人と、ここで野宿するかと冗談を言って笑いあう。
ここには売店もあれば、バス乗り場には屋根がついているので寝れそうだし、トイレはそこらへんで・・・。
バスが来た。来たが出口まで人が溢れて乗れるわけがない。
イタリア人達と次のバスまで待つことにした。
そんなに待たずとバスが来た。
今度は、そんなに混んでいない。
ツーリスト達は皆、満面の笑顔になり、そのバスに飛び乗っていく。
たった6ルピーなのにチケットを配っていることに驚いてしまう。
そしてようやく、ゴカルナシティに着いた。
私はここに、一目で惚れてしまった。
インド人の生活がそこらじゅうにある。
もちろん、食堂も寺も売店もローカルなものに溢れている。
活気がある。
笑顔と嫌悪が折り重なっている。
私ともうひとりの日本人とで宿を探すが、なかなかいいところが見つからない。
かなり、てこずったが、2人でシェアし1泊75ルピーの安宿に倒れこんだ。
この移動にはとても満足している。
この移動はとても楽しかった。
久々に心踊りながら過ごした一日だった。