艶やかな色彩に彩られた、驚きの建造物シュリー・ミーナークシ寺院を見に、マドュライに来た・・・・。
と、書けばもっともらしいのだが、実は違う。
私は、バスターミナルに行く前には、クミリーという野生動物保護地域があるところに行こうと、心に決めていた。
久しぶりに、、ボートに乗り、歩いて、ジャングルに分け入り、野生動物と戯れようと考えていたのである。
このクミリーは、南インド最大の野生動物保護区となっている。
それが、チケット売りの暇なおじさんと話しているうちに、なぜか、マドュライ行きのチケットを手にしていたというわけである。
なぜ、クミリーがマドュライになったか理由を探るとすれば、一日に一本しかバスが出ず、地名にもそそられ、163ルピーと安かったということになるのだろうが、私自身にも、わけがわからない。
簡単な話、どこでもよかったということだろう。
宿に帰ってから、マドュライのことを調べたことは言うまでもない。
久しぶりに、長距離バスに乗った。
夜行バスで、いつもどうりの、まったくリクライニングしない庶民バスである。
バスの前面に堂々と「スーパーファースト」と、書いてあるのだが、堂々と次から次へとバスターミナルで止まる。
そして、ラッシュアワーのごとく、ギュウギュウ詰めになるまで客を乗せる。
こういうところにも、インドを感じてしまう。
さて、このバス、窓が大きく、外から見るといかにも快適に見えるのだが、そうではない。
窓ガラスに枠がなく、10mmの溝に3mmのガラスがそのままはまっているだけである。
勿論、パッキンなどなく、バスの振動そのままにこのガラスも振動し、今にも割れそうな音で
ガタガタいうのである。
大きな窓というのが災いに転じているのだ。
私のところの窓は、持っているビニール袋、新聞紙、布などを挟み込み、なんとか小さい音になるまで追い込むことができたものの、全部のガラスがそうなので、弱り目にたたりめである。
インド人は、当たり前だといわんばかりに、平気に寝ている。
私も、慣れてきたのか1時間もたたぬうちに瞼が重くなってきた。
そして、まだ、陽が明けやらないAM4:30に、蚊が飛び交うマドュライに到着した。