しょんべんをしに、夜中に起きた。
雷鳴が轟き、雨が降りしきっている。
いつも、快晴のブンディに、至る所に水溜りができている。
その謎が解けて、すっきりと眠りについた。
雨上がりの朝にブンディパレスに行った。
どうやら、私が一番乗りのようだ。チケット売り場のおじさんが、欠伸をしながらチケットを切っている。
間違えて入った場所は、陽が入らないコウモリの棲家。
異様な匂いと、背筋が凍るような風が吹いている。
3歩入って、逃げ出してきた。
眼下に広がる、小さな湖とブルーシティ。
ここも、ジョードプルと同じように、青い家々が遥か彼方まで続いている。
ブンディパレスは、今にも崩れ落ちそうな年季の入った建物。
人間の手によって整備されているところには、亡霊が近づかない。
中の壁画を鑑賞する。
しばし、言葉を失う。
複雑に作られている天井に見事な壁画が、私の心を奪う。
まだ、さほど色褪せず残っているのは、インドという土地がらの奇跡としか言えない。
開放感いっぱいの空間では、涼しい風が吹いている。
今朝の雨が綺麗にしてくれた空気を、思いっきり吸う。
気持ちのいいブンデイパレスに、しばし佇む。