ユースホステルは、もう嫌だ。
思えば、ヨーロッパに入り、ユースばかりに泊まってきた。
設備等が不満な訳ではない、綺麗だし熱いホットシャワーにありつけ、朝食まで付いてくる。
しかし、何処も同じようで味気がないし、規模が大きすぎて学校や牢獄に居るような気分になってしまう。
おまけに、朝食が済むと外に出され、夕方になるまで入れなくなる宿も多い。
自分のリズムで生活ができないのだ。
私は、ユースホステルは、もう嫌だ、ユースはたくさんだ、と呟きながらローマに来た。
そして、辿り着いたところは韓国宿。
私を除いて全員韓国人である。
ローマに来て、1週間になる。
ローマに魅力を感じて長居しているのではない。
ローマは、坂道が多く、水場がそこらかしこにあり、鳩が人間と同じくらいいて、駐車している車が無い道はなく、観光客でごった返している。教会はケバケバしく、そして、街が大きすぎる。
ただ、それだけだ。
この韓国宿は20ユーロという値段で、美味しい韓国料理が朝晩に食べきれなくなるまで食べられる。
そして、韓国の若い連中と毎晩酒を飲むことができ、とても楽しい。
やはり、ユースを離れると自分のリズムが出てきたようだ。