アルゼンチンには魚屋がない。
スーパーマーケットに行っても、魚売り場がない。
あるのは、片隅にちょこっとだけ積んである缶詰と冷凍のフライのみ。
でも、肉は豊富にある。
どのような肉でもよりどりみどりに選べて、しかも安い。
畜産物が93%の自給率だということが、うかがいしれる。
ブエノスアイレスやバルデス半島のような海に近いところでも、魚は食べられない。
アルゼンチン人は魚を食べないのだろうか。
海の生態系を乱さないようにとエコロジーな気持ちが魚を拒むのか。
確かに、そのせいで世界でも珍しいクジラやイルカ、シャチにアザラシの仲間などが多数生息している。
だが、しかし、私は日本人だ。
もう、2週間以上も魚を拝んでいない。
とうとう、禁断症状がでてきた。
魚の夢をみるのだ。
アルゼンチンにこれ以上居ることは困難なのか······。