教会の前でバスが止まった。
降り立つと、教会から音楽が鳴り出し、村の人々が一斉に出てくる。
村の人々の衣装、教会の音楽、そして信じられないほどの美しい景色が相まって、私の気持ちはいっぱいになった。
急な石畳を登っていくと、村人が笑顔で挨拶してくれる。
子供たちが走っている。
村の一番高いところにある白い十字架が、シンボリックに太陽の強い日差しを浴びている。
その小路には小さなサボテンが連なっている。
車は通れない。
村の外側には畑がその緑を際だたせ、東には荒々しい山肌を、西には緑の絨毯が、違った山の景観を見せている。
小鳥のさえずり、川のせせらぎが私の耳をくすぐる。
ここは、紛れもなく桃源郷だ。
そして、この村の名前はイルージャという。
まいった。
ここには降参だ。
ここの空気を思いっきり吸う。
遂に来たという感覚に囚われる
世界には素晴らしい所がたくさんあるんだ。