キューバ人は並ぶのが好きだ。
いや、並ぶのに慣れているのだろう。
私も、そんな並んでいる所に行けば「ウルティモ!」と、声をかける。
それは、最後の人の意味。
そうすると、最後尾の人が手をあげて、その前の人も教えてくれる。
すぐに、「ウルティモ!パッソーナ」と声がかけられ、私が手をあげる。
バスに乗るときも、ピザを買うときも、ソフトクリームを食べたいときも、映画を見たいときも必ずこのウルティモルールは守られる、
私は並ぶのが好きではないが、もう、慣れてしまった。
ヘアースタイルジェルを買いに行った。
しかし、どのショップにいってもない。
いろんな人に聞いて、やっとみつけた。
そこは、ショッピングビルの地下にある1CUC(120円)ショップだった。
ヘアースタイルジェルがあるのを確認すると、そこでも「ウルティモ!」と言って並ぶ。
入り口で人数制限をしているのでなかなか入れない。
途中で馬鹿らしくなるのだが、それでもやっとみつけたショップなので諦めるわけにはいかない。
中に入れたのは並んで1時間もかかってしまった。
さらに、レジの前で並んでいるところの最後尾に並ぶ。
レジでは、「これのほうがいいかしら、あれをとってみせてくれる?」
と品定めしてる客がいる。
全てが揃って、やっとレジ打ちがはじまる。
なるほど、これでは時間がかかるわけだ。
客を待たせて店員達で雑談に花を咲かせていたりもする。
結局、ヘアースタイルジェルが買えたのは、店の前から1時間30分を要した。
大きなショップに入る時も、荷物を預けなければならない。
ここでも、1人の係員がちんたらやっているので、やたら時間がかかる。
こんなところでも「ウルティモ!」と言って最後尾につく。
約20分後に、ショップに入り、目的の商品がみつからず、手ぶらで店から出て、また荷物をとりに並ぶ事になる。
手荷物を持って、大きなショップに入るのはやめることにした。
ここにはたくさんのルールがある。
この国は社会主義国。
その一旦を感じながら、キューバの首都ハバナで生活をしている。